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#福山 #阿伏兎 #おっぱい


 広島県福山市。瀬戸内の経済、文化、交通の要衝として、広島県第2を誇る中核都市・福山も江戸時代の初めまでは、芦田川下流のの1カ村にすぎませんでした。

 1619年、備後十万石の漁師として、水野勝成が居城を築くと一躍、備後地方の行政・経済の中心地として発展。

 中でも燧灘(ひうちなだ)に面した鞆の港は、四国・九州・関西を結ぶ、瀬戸内海航路の拠点として、海運の要衝となるのです。



 鞆の浦から4キロほど、沼隈半島の南端・阿伏兎(あぶと)岬の突端に挑むようにして鎮座するのが、阿伏兎(あぶと)観音です。

 正式名は海潮山 磐台寺(かいちょうざん ばんだいじ)、通称・阿伏兎観音(あぶとかんのん)です。阿伏兎観音は、平安時代花山天皇が、この地域を往来する船の航海の無事を願い安置したのが始まりです。


 その後、源氏と平家の合戦に巻き込まれ荒廃しますが、1570年代、この地を治めた毛利輝元によって再建され、以降、地域の人々によって大切に祀られてきたのです。

 鞆の浦の観光案内所で、阿伏兎観音への行き方を尋ねると、一日数本あり路線バスが、ちょうど10分後に来るのでそれに乗ってください。帰りはタクシーを呼んだ方がいいと電話番号教えてくれました。



 断崖の上に鎮座する観音堂は、想像していたものよりずっと小さなものでした。お堂を一周する廊下は、大人の体には細く、しかも海側へと傾いていて、欄干につまずき、崖下に落ちそうでドキドキします。


 すり足で、恐る恐るしじみ観音堂の中をのぞいてみるとそこには、壁一面に白いおっぱいが。奉納されたおっぱい絵馬が飾られていました。



 阿伏兎観音は、航海の安全を見守る観音様であるとともに、子宝祈願や安産のご利益。乳がんなど女性特有の病気にもご利益があるとされています。道理で境内は女性ばかりのはずです。赤ちゃんを抱いたご夫婦は、お礼参りなんでしょうね。

 急峻の岩肌に、青々と飛沫をぶつける瀬戸内海、穏やかな風景の中にありながら、荒々しくそそり立つ岬の突端に鎮座する朱塗りの観音と、その神話的な姿を、歌川広重は六十余州名所図会の一つとして浮世絵に残し、志賀直哉は代表作『暗夜航路』の中で描いているのです。


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