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#桶狭間の戦い #織田信長 #青天の霹靂


 もしも桶狭間の戦いで、下馬評どおり今川義元が勝っていたら、下馬評どおり織田信長が滅ぼされていたら、歴史は大きく変わっていたはずです。


 桶狭間の古戦場や沓掛城など今川義元、織田信長ゆかりの場所が点在する愛知県豊明市。市役所を訪ねて頂いた観光マップの表示には、金文字で描かれた町のキャッチフレーズが踊っていました。『大金星のま街・豊明』。決して大げさではありません。桶狭間の戦いは、それだけの大番狂わせだったのです。


 歴女の私にとっての楽園。というわけですが、豊明の魅力は歴史だけではありません。


 水無瀬川、若王子川などの河川があり、大きな溜池がいくつも点在するなど、水面に潤され、緑豊かな豊明は虫たちにとっても楽園でした。


 そんな虫たちが、今川義元のごとく、青天の霹靂(へきれき)の時代に衝撃を受ける植物が、沓掛城の城址公園からほどない場所に、自生していました。

ナガバノイシモチソウ。なんと食虫植物です。真夏になると花を咲かせる、珍しい食虫植物で、ナガバノイシモチソウという舌を噛みそうな名前は、繊毛がある細長い葉っぱであることから、ナガバ。その繊毛から虫を捕らえるために、出す粘液が小石をも粘着させる強力なものであるから、イシモチソウと合わせて、ナガバノイシモチソウなのだそうです。


 栄養分の少ない弱酸性土壌の湿地に自生するモウセンゴケ科の1年生食虫植物で、葉っぱの表面や繊毛から、何とも甘くにおう液を分泌します。


 その香りに誘われてやってきた昆虫類を粘力で捉えると、逃げようともがく刺激で、繊毛が屈曲し、虫を取り囲み始めます。そして、ゆっくりと消化し、自身の養分の一部としてしまうのです。


 一般的に、ナガバノイシモチソウは、5弁の花を咲かせ赤と白の2種類がありますので、豊明市のものは直径1センチほどの赤い花です。

これは、愛知県の豊明市豊橋市の2箇所だけに自生地が確認された、全国的にも珍しいものとなっています。

平成25年赤い花ナガバノイシモチソウは、日本固有の新種であることが、学会で発表され自生地である豊明市と確認しての渡辺幹夫教授今の名前にちなんだ学名が付けられました。

 学名なので、ラテン語らしいのですが、気になる方はネットで調べてみてください。甘い香りを放ちながら静かに立たずみ、誘われて羽を休めた虫を捕らえると、じっくり消化し自身の養分にしてしまう、美しい花。たくましく自生する天然のナガバノイシモチソウにシンパシーを感じてならないのです。

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