御利益の御という字を「み」と読んで、下に田町と書いて、御田町と呼ばれていた。
港区の芝浦には JR 山手線と京浜東北線の田町駅があります。が、現在は田町という地名はありません。町の拡大に伴って、田畑が町家と移り変わったことから、江戸時代に田町という地名になったと言われています。また、御利益の御という字を「み」と読んで、下に田町と書いて、御田町と呼ばれていた。のちに御が外れて田町になったという説もあります。
田町駅のすぐ北にある都営地下鉄三田駅の三田は、かつて、御利益の御という字に田と書いてみたと呼ばれていたとされています。将軍に献上する米を作る田んぼが存在したからともいわれています。御という字には天皇の神様のという意味だったので、恐れ多くとばかりに取り除かれ、縁起のいい数字だった3の漢数字を当てられ、三田になったと言われています。
明治初頭には、田町の頭に芝をつけて芝田町と呼ばれ、その後、田町駅は芝田町一丁目に設置されました。昭和になって、芝田町という地名がなくなり、三田駅周辺は芝5丁目となり鉄道境に南側が芝浦という地名になったのです。田町エリアには、鉄道の方が第一京浜、日比谷通り桜田通りなどがり、交通の要衝となっています。
田町駅の東口を出ると、すぐ東京工業大学附属科学技術高等学校のグラウンドが見えます。通称東工大付属の敷地の外の片隅にひとつの記念碑が建っていました。放送記念碑です。
実は、ラジオ放送の元となる日本初の無線放送は、ここ芝浦が発祥なのです。1895年イタリアで無線を発明してからわずか2年後の明治30年12月、日本では品川沖代5代はと月島までのおよそ1.8キロ間の無線実験に成功しました。
明治33年に日本無線電信機が製作され大正13年11月29日に社団法人東京放送局の今の
NHK が設立されます。この記念碑が現在の東工大付属高校内に設けられたのです。
それから四半世紀の時を経た昭和26年に株式会社ラジオ東京が設立され、昭和35年に株式会社東京放送百姓を TBS とし現在の TBS ラジオに引き継がれているのです。潮風吹く港区芝浦は、ラジオ放送発祥の地・芝浦あってのラジオ放送なのです。
Comments