#堀切ミロ #せんだみつお　#ぎんざＮＯＷ

《そんなキャシーが、モデルへの道を進む》

　堀切ミロさん。スタイリストの草分けのような方ですが、その人にスカウトされたんです。「あなたさあ、かわいいのに。もうちょっと痩せたらモデルで使いたいのね」と言われたのを今でもよく覚えています。

　私は自分で言った言葉も鮮明に覚えているんですが、「モデルになったら、お金いくらもらえるんですか？」と聞いたんです。

「そうねえ、あなただったら月に３万から５万になるわ」と。おそらく大卒の初任給が２万円か３万円ぐらいの時代だったと思います。母が大変なのを知っていましたから、助けられたらいいなと思って、モデルの世界に入ったんです。

　《モデルになるにあたり、ダイエットを敢行した》

　もともと体の大きい子だったんです。「10kgは痩せなきゃ無理よ」って言われて、慌てて食べない、下剤を飲む、というダイエットをして、1ヶ月で15キロぐらい落として、３カ月で20kgも体重を落としました。

　それで、ミロさんに会いに行きました。「ほらミロ」とは言わなかったですよ、それじゃダジャレになっちゃう。

　「どうですか」と言ったら「ああ、いいね」と言ってくださって。それでモデルの仕事をしながら、テレビ番組「ビートポップス」（フジテレビ系）にも出てみたり。芸能界の片隅にちょこちょこ出ている状態でしたね。

《とはいえ、順調にモデルの仕事が増えていったわけでもなかった。だがキャシーはそこで、類まれなる“セルフ・プロデュース能力”を発揮した》

　仕事は面白かったんですけど、最初にミロさんに言われた通りの金額はなかなかもらえなくて。それでモデル事務所の「マドモアゼル」に入ったんです。その頃はまだ事務所の創成期で、仕事もそれほどなかったので、学校が終わってから事務所に行って私が電話番をしていたんです。

　そうすると、「今度、◯◯のポスター撮りがあるんだけど、誰でもいいからいい子いない？」というような電話がかかってくるんです。私は「あ、いますよ。新人なんですけど、キャシー中島っていうカワイイ子がいますので、スケジュールはそれでよろしいですか」なんて答えて（笑）。「いいよ、その子、ハーフ？」「そうです、ハーフのカワイイ子です」とか。それで自分でスケジュールを切って。そんなことを何カ月か繰り返していたら、しょっちゅう現場に行くようになって、「誰でもいいならキャシー使おうか」という話になり、どんどん写真も出ていって「この子、よく見るよね」というような話になり。２年ぐらいで、事務所の看板モデルにさせてもらいましたね。

１日３～４本も平気で掛け持ちするんです。赤坂スタジオに行って、青山スタジオに寄って、広尾スタジオで終わりとか。化粧も毎回してもらうので、いつもスッピン。Ｔシャツ、ジーンズ姿で、靴だけは自前だったので大きなかばんに靴をいっぱい入れて駆け回っていました。

　現場でも待ち時間がなくて。メークをしてもらったらすぐに撮影。だから大好きな手芸やキルトをする時間はモデル時代はほとんどなかったんです。まあ青春なので、デートする時間だけは確保していたんですけどね。

　《一流企業のコマーシャルやポスターにどんどん露出した。一方で、しゃべりの面白さから、タレントになることを勧められるようになった》

　「キャシーと仕事すると楽しいよね」と言われるようになっていたんです。しゃべりも面白いって。そのうち、何人かのカメラマンに「タレントになったほうがいいんじゃないの」と言われたんです。「モデルの主役は洋服でしょ」とも。それで、気がつくと、後ろから１５～１６歳の若いモデルの子がどんどん出てきていて。しかも足は長い、手は長い、スタイルのいい子がいっぱいで。「あれ、私、居場所がなくなるかも」と思って、２０歳でタレントに転身しました。その最初に出た番組が「ぎんざＮＯＷ！」（ＴＢＳ系）です。

せんだみつおさんと一緒にやらせてもらったんですね。だけどね、当時、私しゃべる仕事してないですよね。せんだせさんも大した仕事してないのね。ほかに、二人アシスタントいたのかなぁ。