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長野で食べた『目覚まし』というお菓子
今日現在 ネット検索できない レアもの
子供の頃、夏休みになると母方の祖父母の住んでいる長野県天龍村に行っていました。その村で売っていた『目覚まし』というお菓子が忘れられません。直径5~6 mm の丸い粒で表面がでこぼこしており、『目覚まし』という名の通り、刺激で目が覚めるような味で、今でいうミントタブレットのようなものでした。
その後、母方の祖父母とも亡くなり天龍村に行くこともなくなりました。少し前に、『目覚まし』のことを思い出して、天龍村役場に問い合わせたところ、今はもう売っていないということでした。自分なりに調べはしたのですが、見つからず諦めかけています。『目覚まし』でなくとも、せめて似たお菓子を作っているところはないのでしょうか。何かご存知の方は教えてください。
三重県で松屋製菓というお菓子メーカーがニッキ飴『めさまし』という飴を販売しているのが見つかりました。
もしかすると『目覚まし』がリニューアルして『めさまし』になったものかもしれません。
製造元の松屋製菓さんに電話をかけて聞いてみました。50年近く前から発売している商品で、名前は当初から『めさまし』だったそうです。
天龍村で売っていた『目覚まし』のことを伺ってみると、『目覚まし』のことはご存知なかったんですけども、当社が販売してる『めさまし』とは関係ないと思いますとのことでした。
隣町の飯田市出身の人に『目覚まし』について聞いてみたところ、50代の複数の人が知っている。食べたことある。と言っています。今は見かけなくなったそうですが、ビニール袋に白くて小さな飴玉がたくさん入っていたそうです。
そして、当時『目覚まし』を売っていたのは、飯田市内にある平屋という地元のスーパーマーケットだそうです。もしかすると、こちらで何かわかるかもしれません。地元のスーパーで強力だから、もう藁をもつかむ思いでスーパー木田屋に聞いてみました。
店長さんに伺ったところ、商品を扱っていたことは覚えていらっしゃったですが、まあ詳しいことそれ以上は分からない。お菓子の製造卸販売業者の戸松さんなら何か知っているかもしれん。と、教えていただきました。
そこで、『目覚まし』をご存知ですかと聞いたところ、戸松さんが作っていたのではなく、飯田市にある上尚製菓という会社が作っていたのを仕入れて販売していたそうです。
さらにお話を伺いますと、この『目覚まし』は長野県の中でも、飯田市や天龍村がある長野県南部の飯田下伊那地域と呼ばれる地域のみで販売されたお菓子なんだ。同じ市内でも他の地域の人にはあまり知られていないのならそうなんですね。
しかも、飯田下伊那地域では、ほとんどのお菓子屋さんで売っていたようなその地域ではメジャーな商品だそうです。
食べると刺激が強いのが目玉だったそうなんですね。東京の人も食べたら、目が覚めるから目覚ましという名前になったそうです。
このお菓子が誕生したのは、なんと大正時代。一番売れていた時期は、戦後から昭和40年代の前半まで。地元の60歳以上の方から皆さん知っているはずだそうです。
人気のあるお菓子で、10社ほどのメーカーが作っていたそうなんですが、とにかく作るのに手間がかかるお菓子で、次々と業者が製造を止めたということなんです。
最後まで、上尚製菓も製造を続けていたんですが、採算が合わないということ。そして、ご主人の体力の問題で35年ほど前に製造を辞めたそうなんです。
35年前から『目覚まし』は幻の味になってしまったそうなんです。最後まで作っていた上尚製菓のご主人も亡くなられているので、製造方法など詳しいことは分からないそうです。
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