「伝播」と「感染」の違いは?
新型コロナウイルス感染拡大で、トップに緊急事態宣言を出した北海道。状況説明と終息へのプロセス紹介で記者会見に参加していた北海道大学の西浦 博教授。時折、使用していた「伝播」という言葉はあまり普段の会話では使わないと思います。
「情報伝播」とか聞いたこともあるような、ないような。「伝わる」って意味であることは文脈から判断できると思いますが、お医者さんだから「感染」だろう。学術的な文献で使うような言葉を使うなよって思うのですが、それって、負け犬の遠吠えですから、勉強してみました。
「伝播」の意味
「伝播」(でんぱ)と読みます。西浦教授の会見の文字起こしをしていて、「でんぱ」と聞いて「電波」と変換してしまい。なんか違うなって思ったのが検索するきっかけなんですけどね。
「伝」は「伝える」という字で、身近な漢字だと思います。「播」は、あまり使わないですが、「播」は「(種などを)まく」といった意味がある漢字で、「広く及ぼす」意味で使われています。「伝」と「播」で「広く行き渡らせて伝える」となるようです。
普段の会話などでは使わず、ビジネスシーンなどかたい言葉遣いをするシーンや、書き言葉として使われています。科学の分野で使うときは熱や音や光の波動が伝わることも「伝播」と言います。
「感染」「伝染」との違いは?
「オシャレが感染する」とか「優しさが感染する」とか、いいことには使いません。「病気に感染する」ように、悪い思想や悪い風習に染まる時に使います。
「伝播」は、文化や情報などが広く伝わっていくことを表す言葉でした。日常会話では言わないかもしれませんが、だからこそビジネスシーンなど改まった場では使える言葉でもあります。「伝播」の類義語には次のようなものがあります。拡散(広がり散ること)、伝達(意思・命令・情報などを口頭または書類で相手に伝えること)になるので、相手に悪意に思われることを避けるために使用したのでしょうね。
ぜひ、意味や使い方を理解して、「伝播」を正しく使ってみましょう。
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