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シャルウィデビューでのうん蓄『エーデルワイス』

シャルウィデビューでのうん蓄『エーデルワイス』

名前は、歌とともによく知られていますが、どんな姿の花なのかは、案外知られていない気もします。春~初夏に花茎を伸ばしてその先端に白い綿毛に包まれた星形の花を咲かせます。派手さはありませんが、落ち着いた美しさがあります。エーデルワイスは「高貴な白」という意味のドイツ語です。属名のレオントポディウムは「ライオンの足」の意味で、綿毛に覆われた苞葉に由来しています。また、種小名のアルピヌスは「高山の」という意味のようです。

ホール新世紀のメインバンド・兼子かおるとリバティーサウンズが、今「エーデルワイス」をワルツバージョンで演奏していました。エーデルワイスは、ロジャース&ハマースタインのコンビによるミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の中で歌われていました。

映画『サウンド・オブ・ミュージック』で演じられていたトラップ一家は、実話です。第一次世界大戦の活躍によりオーストリアの国民的英雄になっていたトラップ大佐は、祖国がナチス政権下のドイツに併合されたことを深く憂い、ドイツ軍からの協力要請をきっぱりと拒む強き意思の人でもありました。

トラップ大佐は、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の中でも、この曲を物語のクライマックスとなる音楽祭のステージで披露します。ギターを奏でながら一人静かに歌い始めますが、存亡の危機に瀕した祖国オーストリアへの想いが高まるあまり、途中から声をつまらせて歌えなくなってしまう場面があります。

それを助けるようにしてマリア、子どもたちが大佐の許へ歩み寄り歌に加わります。この時、トラップ大佐が観衆に向かって手を振り上げ、共に歌うようにと誘いかけました。それに応じて観衆も加わり『エーデルワイス』は大合唱へとなっていきます。

ところで、ロジャース&ハマースタインのコンビによる創作曲ですが、ロジャース&ハマースタインはともに癌を患って余命わずかの状態の遺作となりました。私生活においても親友同士だった二人が最後に会ったのは、ハマースタインの死の一ヶ月ほど前、二人は昼食をともにしながら、最後に握手をし・・・別れを告げあった、という。

トラップ一家物語の映画『サウンド・オブ・ミュージック』とこの『エーデルワイス』には切なる願いが込められている、と感じられます。それは、逆境のなかで生きる人々への心温かきメッセージのように思えます。逆境にあって、高貴な白い花を咲かせるエーデルワイスのように・・・。

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